ダイヤモンド・ザイの2021年7月号に、
- 億り人11人のワザ&失敗談! 株で1億円をつくる入門
という特集が組まれていました。
億り人の先輩たちは、どのようにして資産1億円を達成したのでしょうか。
3人とも最初の数年は投資成績が赤字だったり、○○ショックで資産を減らしてしまったりしています。
そんな3人が億り人になった投資法を見ていきたいと思います。
1億円達成までのロードマップ
最初に、1億円達成までのロードマップを確認しておきます。
投資初期
- 投資手法を模索する時期。
- 投資成績はいまいちで赤字になることもあるが、諦めずに続けることが大事な時期。
- とにかく毎月入金するタネ銭を積み上げて資産額を増やしましょう。
資産形成期
- 投資に慣れ、自分に適した投資スタイルが確立する時期。
- 投資で元本を順調に増やしていくことができるようになります。
- 当初とは投資手法がガラリと変わる人もいるようです。
資産膨張期
- 運用効率が良くなり、雪だるま式に資産が増えていく時期。
- 銘柄選びや投資手法に転換が必要になる時期で、複数の投資手法が必要になります。
資産防衛期
- 資産を守ることを意識する時期。
- 株式相場は数年に1度は荒れるものなので、想定した対抗策も準備しましょう。
元金30万円で1億円を達成 高配当株投資〜なのなのさん
高配当株投資ブログ『なのなのの高配当株投資メモ』を運営されている、兼業投資家『なのなの』さんの手法です。(ブログ『なのなのの高配当株投資メモ』はこちら)
なのなのさんの手法は、「投資手法を洗練して徹底してルールを守り高配当株投資する」というもの。
- 特別配などを含まない利回りが4.0%以上あること。
- PER18倍以下であること。
- 過去3期かつ今期予想が増収・増益傾向であること。
- 配当利回りが2.5%を下回ったら売る。
- 売上や利益が減ったり、減配が発表された場合は売る。
なのなのさんは、「買いのルールに合致した銘柄は、最終的には決算短信や会社説明資料をチェックする。」と説明されています。
やっぱり、決算資料や企業資料をきちんと確認することが大事なんですね。
その他にも、
- 自分で定めたルールを信じる。
- セルインメイなど、相場の大きなアノマリーを意識して売買時期をコントロールする。
といったこともルール化しているようですね。
アノマリー:理論的な根拠はないものの、マーケットでよく起こる株価変動のこと。
元金300万円で達成 連続増配株投資で億り人に〜立川一さん
日興フロッギーに記事を連載されているサラリーマン投資家の立川一さんの手法です。
日興フロッギーは、SMBC日興証券が運営する「投資を学んで、体験し、資産形成をサポートする」サービスです。記事はどなたでも無料で読むことができます。出典:日興フロッギー(公式ページはこちら)
立川さんの手法は、「連続増配または増配傾向のある株を買う」というもの。
- 配当を増やす企業は業績が好調で株価が上がりやすい。
- 過去10年連続で増配実績がある企業または増配傾向が強い株を買う。
- 増配を1回ストップまたは減配しただけで、連続増配年数ランキングからこぼれてしまい、割安で放置されている企業もある。
- 増配傾向が確認できれば、業績をチェックし、稼ぐ力があると判断できれば買う。
立川さんも銘柄を選ぶ際には業績をチェックされるようですね。
増配がストップしたり、一度減配していても、過去10年の業績を見て増配傾向が強く、業績が好調なら買いの候補になります。
むしろ、連続増配株よりも目立たないので、割安で放置されていてお得かも。
100万円でスタート 5年で2倍になる株を狙い続け10年で資産を16倍に〜すぽさん
専業投資家の「スポ」さんの投資手法は、「企業のビジネスモデルに注目し、5年で株価が2倍になりそうな株を購入する」という中長期投資です。
(「すぽさん投資ぶろぐ」はこちら)
- 長期間高収入を維持できる4つのビジネスモデル「プラットフォーム型」「地理的独占型」「消耗品・メンテナンス供給型」「トップシェア型」の企業に着目して銘柄を探す。
- 過去5年の業績を確認して、これから5年先に株価が2倍になるか、「売上と営業利益の伸び」「売上高営業利益率」「当期純利益」から判断する。
- 成長が見込める銘柄を適正価格よりも割安な株価水準で買う。
「強いビジネスモデル」を持っている企業の「成長性」「割安かどうか」は、決算短信を見て判断するとのことで、すぽさんも業績等をしっかり確認されてから投資をされるようですね。
決算短信は、各企業のホームページに掲載されています。
強いビジネスモデル
「強いビジネスモデル」とは、企業側が価格を決められる力を持っているかどうかということです。
- ライバルが多ければ、強気な値付けはできませんし、他に替えがきくようなサービスであれば持続して安定した収益を得ることはできません。
- 商品の値下げ競争が起きづらい業種であれば、安定した収益を上げることができます。
売上と営業利益の伸び
売上と営業利益の伸びは決算短信で確認します。
この点についてはすぽさんは、次のような基準を設けているようですね。
- 売上高営業利益率が10%以上。
利益率が徐々に高まっている傾向があればなお良し。 - 当期純利益が平均で15%程度伸びているか。
割安かどうか
割安かどうかについては、PERで判断します。
すぽさんの感覚的には、
- 年率15%成長の企業のPERは40倍くらいが妥当。
- PERが半分の20倍以下だと手堅い。
という判断基準のようですね。
最後に売りの基準についてですが、
- 株価が2倍になったら半分売る
- 企業のビジネスモデルや収益力が当初の想定と変わったら売る
という二つの基準を設けているようですね。
「株価が2倍になった時に半分売ったら、投資資金を回収できたことになるから、残りの持株でより高値を追える」という考え方は参考になりますね。
「ビジネスモデルや収益力が当初の想定と変わったら売る」というスタンスはまるで闘志の神様ウォーレン・バフェットのようですね。
まとめ
3人の億り人の投資手法をチェックして見ましたが、いかがだったでしょうか。
皆さんに共通しているのは、
- 事業内容や決算資料をしっかりと確認し、ファンダメンタルズ分析に基づいて投資していること。
- 自分が決めたルールは厳守すること。
ですね。
一方で、「配当利回り」「連続増配または増配傾向」「ビジネスモデル」とこだわりを持たれているポイントは異なっていますね。
次回は、『愛鷹さん』『かぶ1000さん』『羽根英樹さん』の投資手法についてチェックしたいと思いますのでよろしくお願いします。
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