ある日、楽天証券から送られてきたこんなメール。
お持ちの外国株式で払出しが行われる銘柄があります。
以下の銘柄が一般口座に払い出されます。
払出しに伴うお客様の手続きは必要ありません。
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銘柄名 :AT&T
現地コード :T
市場 :NYSE
対象口座 :特定
払出日 :2022/04/11
売付停止期間:-
払出事由 :スピンオフのため※NISA口座での保有の場合は払出されません。
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発表内容は予定であり、変更される場合があります。日付は全て現地の日付です。
上記払出事由のため、当該銘柄は一般口座に払い出されます。
払出し完了後、保有商品一覧等の資産状況確認画面では、当該銘柄は入庫単価が「-」で表示され、「0円」で計算されます。
なお、払出しによって一般口座に入庫された株式は特定口座/NISA口座に移管することはできません。
出典:楽天証券
AT&Tがスピンアウトするのは分かったけど、「一般口座に払い出されます」「払出しによって一般口座に入庫された株式は特定口座・NISA口座に移管することはできません」ってどうゆうこと?
一般口座に払い出された原因
AT&Tの株が一般口座に払い出された原因は、
- AT&Tが、メディア事業のMagallanesをスピンオフして、米国の娯楽番組放送会社と併合させてWarner Bros. Discovery社(「WBD」)にしたこと
です。
スピンオフとは、「社内の1部門を切り離して分離独立させること」です。
AT&Tはメディア事業部門を独立させたから、AT&Tの株式を所有している株主には、新しく独立させたWBDの株式をAT&Tの株式1株につき、0.24株あげるよということですね。
AT&Tの株はそのままに、WBDの株が貰えるなんてラッキー。
一般口座に払い出される理由
スピンアウトした場合、スピンアウト元の銘柄と、新たに取得される銘柄の両方が一般口座に払い出される理由について調べてみましたが、良く分かりませんでした。
色々な方のブログなどを見させていただいたところ、税務上の手続きの関係で一般口座に払い出されたのではないかと思われます。
簡単にいうと、
- スピンオフがあると、税務上の計算や手続きが色々と面倒なので、いちいち証券会社で手続きを代行なんてできません。
- だから、特定口座から一般口座に株式を移すから、自分で確定申告してください。
ということのようです。
なんということでしょう。
せめて、どうすれば良いかとか、必要な株価や手続きくらい教えてよ。
株価を確認してみました
今回、スピンオフしたAT&Tの株価は、スピンオフ前は「約24ドル」だったのに対し、スピンオフ後は「約19ドル」に値下がりしてしまいました。
一方、新しくもらったWBDの株価は「約24ドル」でした。
改めて株価を確認してみましょう。
スピンアウト前の私のAT&Tの株数は「300株」、スピンアウトでもらえたWBDの株数は「72株」だったので、
- (19×300)+(24×72)=7,428ドル
- 24×300=7,200ドル
トータルが228ドル増えている!
またまたラッキー。
一般口座で必要な手続き
一般口座は、運用益の源泉徴収がなく、年間取引報告書も送られてきません。
当然、自分で譲渡損益や配当益を計算しなくてはなりません。
また、スピンオフにより受け取ったWBDの株式については「みなし配当」という配当所得になるようです。
受け取った株数に対して、現地における分配時点での時価をかけた金額と、端数株式の売却代金を合わせた金額を課税対象額として日本国内での源泉徴収を行う必要があります。
なんて面倒なんだ。
確定申告の注意点
ここでまず問題になるのは、
- AT&TもWBDも、証券会社の保有商品欄に表示されている平均取得価額が0ドルになっていて、平均取得単価が分からない
こと。
これについて、楽天証券のQ&Aにこんな記事がありました。
また、一般口座に払い出された株式については、保有商品一覧等の資産状況確認画面で入庫単価が「-」と表示され、取得価格は「0円」として評価損益や実現損益等の計算がおこなわれます。
確定申告で損益を計算する際は、取得時の単価(郵送でお送りする払出通知書に記載されています)で計算する必要がありますので、ご注意ください。出典:楽天証券
楽天証券の場合、払出通知書というのが郵送されてくるので確認しましょう。
特定口座払出通知書が送られてきました
楽天証券から特定口座払出通知書というハガキが送られてきました。
このハガキには、
- 特定口座から払い出されたAT&Tの取得日
- 数量
- 取得価額
が記載されていました。
これで取得価額の合計を株数で割ると、自分の平均取得価額は分かりますね。
私の平均取得価額は、「2,873円」でした。
損益計算をしてみました
AT&T
私の場合、AT&Tの平均取得単価は「2,873円」でしたので、これに300株をかけた
- 861,900円
が取得価額の合計になりますね。
現時点の株価を確認したところ、
- AT&Tが「741,484円」
でしたので、AT&Tは現時点では「120,416円」の含み損ということになりますね。
WBD
Yahoo!ファイナンスによると、2022年4月11日のWBDの始値は、「24. 08ドル」でした。
出典:Yahoo!ファイナンス
なので、
- 24.08ドル×72株=1,748.16ドル
の配当が出たということになりますね。
損益計算
WBDの配当を4月11日のドル相場で計算すると、
- 124.87円×1,748.16ドル=218,292.739円
となりますので、WBD社の株を受け取ったことによる配当は、「218,293円」ですね。
損益通算すると、
- 218,293円ー120,416円=97,877円
となり、「97,877円」の利益があるということになりますね。
確定申告が必要か
給与所得者については、
- 今回の配当所得も含め、給与所得・退職所得以外の所得合計が年間20万円以下なら、来年の確定申告は不要
となっています。
給与所得・退職所得以外の所得合計が年間20万円以下なら、来年の確定申告は不要なら、私の場合、含み損が出ている花王を売って損益通算すれば、確定申告はしなくても良いかも。
確定申告を逃れるには
スピンオフされた銘柄は、面倒な手続きが必要になることが良く分かりました。
今後、スピンオフが発表された銘柄は一旦売却して利益確定し、スピンオフ後に買い直した方が面倒な手続きが必要なくなって簡単かもしれないですね。
まとめ
今回、AT&Tのスピンオフについて考えてみましたが、いかがだったでしょうか。
ひとまず、一般口座に払出されたAT&TとWBDの株式について、4月11日時点の株価から自分なりに損益を計算してみました。
しかし、これから配当が出たり売却したりすると、一般口座に銘柄がある間中、手続きがずっと面倒になりますね。
いっそ一般口座の銘柄を処分して買い直すか、それとも米国株の確定申告手続きを勉強して確定申告が苦にならないようになるか。
「いつか投資で億り人になる!」という目標を持つなら、確定申告の勉強をした方が前向きですよね。
私は頑張って勉強してみます。
もし間違っていたら教えてくださいね。
それではまた、よろしくお願いします。
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